宿便のウソとホント|腸内洗浄のリスク

そもそも便は何からできている?

食べたものを効率的に消化して吸収するためには、消化物と接する腸管の表面に広大な面積が必要になります。表面積を少しでも増やすために小腸はヒダ構造になっていて、ヒダを引き延ばした総面積はテニスコート1面分にもなるといわれています。

ヒダ表面の粘膜細胞は日々生まれ変わっていて、死んで剥がれてしまった粘膜細胞は便として排出されます。

粘膜細胞は常に細菌やウィルスにさらされていて、細菌やウィルスが体内に進入しないように早いサイクルで新しく生まれ変わっています。全ての細胞が同時に生まれ変わるわけではありませんが、テニスコートの広さにもなる腸管内では常にどこかで細胞の生まれ変わりが起こっているのです。

また、腸内に住み着いている腸内細菌の数は500~1,000兆個といわれていて、重さにすると1.5kgにもなるほど膨大な数です。この腸内細菌も毎日死滅と増殖を繰り返していて便として排出されます。

便は食べたものの残りカスが大部分を占めているようなイメージがありますが、実際はそう多くありません。

食べたものの残りカスは便全体の20%にも満たなくて、粘膜細胞や腸内細菌の死骸、水分が大部分を占めているのです。

ちなみに便に含まれる腸内細菌の群集(腸内細菌叢)は腸内環境の状態をあらわしています。つまり便に善玉菌が多く含まれていれば良好な腸内環境にあると判断できるのです。

善玉菌を増やすための乳酸菌の摂り方とは?

以上のことから、腸管の剥がれた粘膜細胞や死滅した腸内細菌、食べ物の栄養を吸収した残りカスから作られる便は腸が正常に活動した証ともいえるでしょう。

ダイエットで使われる「宿便」の意味と実態

ダイエット用語として使われる宿便は腸壁にこびりついた便と説明されます。多くの女性が悩まされている便秘とは異なる意味で使われているようです。さらに宿便は、断食や腸内洗浄によって排出することができるとも説明されています。

上記でも説明したように便は、粘膜細胞や腸内細菌の死骸が大部分を占めています。ですから、断食によって食事を摂らなかったとしても便は出ます。(腸壁にこびりついた便が出るわけではありません)

また、便を作る大腸はくびれのようなものはありますが小腸の様なヒダはなく、ぜんどう運動によって便が押し出されていきます。さらに大腸の壁を守るために粘液が常に分泌されています。

ぜんどう運動とは
大腸には等間隔にくびれがあります。このくびれが縮んだり膨らんだりすることで便を肛門側のくびれへと次々に押し出していきます。この一連の運動をぜんどう運動と呼び、ぜんどう運動が正常に行われないと便秘に活発過ぎると下痢になってしまいます。

以上をまとめると、

  • 便は、粘液細胞や腸内細菌の死骸が食べ物の残りかすに比べて割合が多い。
  • 腸管の細胞は生まれ変わりが早い。
  • 大腸には便がこびりつくようなヒダはない。
  • 腸管からは常に粘液が分泌されていて便はこびりつきにくい

ということがいえます。つまり、ダイエット用語として使われるような腸にこびりついた宿便は存在しないと考えられます。しかし、便秘によって便が出にくくなった状態(滞留便)は存在します。便秘に伴う滞留便の場合は腸内洗浄ではなく便秘としての治療が必要になります。

腸内洗浄は必要か?

個人的には、腸内洗浄を行う必要性はないのではないかと考えいています。腸内には膨大な数の細菌が住みついていて腸内細菌バランスは便通の正常化、免疫力の向上、ビタミンの合成などと密接に関係しています。

善玉菌が優位となるような腸内環境は、日々の食生活や善玉菌を減少させる原因でもあるストレスの軽減、乳酸菌の摂取などの積み重ねによって良好な状態を保つことができます。一方、抗生物質の服用や下痢などによって善玉菌は簡単に減少してしまいます。

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腸内洗浄によって腸内細菌を洗い流してしまうと腸内細菌バランスを壊してしまう原因になってしまいます。また、新たな細菌の侵入リスクを高めてしまう原因になる可能性があります。

腸にへばりつくような存在しない宿便を過度に心配して、腸内洗浄のようなリスクのある方法を選択するのではなく、継続的な食物繊維の摂取や乳酸菌の摂取に取り組む方が長い目で見た場合に効果的であると考えます。

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手軽にかつ継続的に乳酸菌や食物繊維を摂取するには?

乳酸菌といえばビフィズス菌を想像する人が多いともいますが、それ以外にも様々な種類の乳酸菌があります。それぞれ働きが異なるので色々な乳酸菌を満遍なく摂取するのが望ましいですが実際には難しいでしょう。

また、食物繊維は現代の日本人の食事で不足しがちな栄養素なので意識的に摂取する必要があります。

ですから、複数の乳酸菌や食物繊維を手軽にかつ継続的に摂取するならやはりサプリメントがおすすめです。

そこで、乳酸菌の配合種類や食物繊維、オリゴ糖などのサポート成分の配合に注目して乳酸菌サプリを比較厳選しました。抑えるべき乳酸菌やその働きなどについても解説しているので乳酸菌サプリ選びの参考にして下さい。

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